2008年7月31日木曜日

かぶとむし

深夜、布団の上で本を読んでいたら、窓の外に
大きめの虫がぶつかる音がする。かぶとむしでも、
明かりにつられてやって来たのだろうと放っておくと、
やたらに羽ばたく音が騒がしい。こうなると集中も
できないので確認してみると、やはり、かぶとむし君である。
しかも、窓の隅にあったクモの巣にからまっている。
当然、クモの巣はすっかり壊れてしまい、近くでクモが
呆然としている。(「そんなふうに見えた」だな。
ま、クモもいい迷惑だろうなあ、予想外の獲物だろうし)
「ふーん」としばらく見ているとクモの巣はますます
かぶとむし君の体を締め付ける。もがけばもがく程というやつだ。
ただ、とにかく「バタバタ、ガサゴソ」ウルサイので、
窓を開け、かぶとむし君を捕まえ、クモの巣をとって
やったのだが、これが本当に強烈なので驚いた。
さすがのかぶとむし君が抜け出せないのも理解できる。
なのでこちらとしても、最初はクモの巣にてこずるのだが、
そうすると、かぶとむし君も怒りにまかせ暴れ倒す。ところが、
こっちが要領を得てクモの巣を少しずつとり始めると、
身を任せすっかりおとなしくしている。で、すっかりとれると、
放してくれと言わんばかりに、暴れ始める。
なかなかにゲンキンなものである。しょうがねえなあと、
かぶとむし君を再び、窓の外につかまらせて放してやり、
窓を締め、様子を確認。すると、かぶとむし君は
金属製の窓格子に捕まって上までいっては、飛ぼうとした瞬間に、
すべって下まで落ちて、窓枠の下に捕まることを繰り返している。
何故かなと思うに、部屋の明かりに反応して飛ぶ方向を
間違えているのが原因とわかり、部屋の電気を消してやる。
しばらくすると窓の外で黒い影が、遠くの街灯に向かって消えていく。
それはまったく、「やったぜ」みたいな声さえ聞こえるようで、
なんとも笑える光景だった。

やれやれ、かぶとむしって能天気な昆虫である。


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